こんばんは。運ちゃんです。久しぶりの更新です。
少し前、運ちゃんは○○整形外科へ配車されました。そこは、初めてのお迎え場所でしたが、古い運転手の話では、交通事故の患者さんが多い整形外科との事、運ちゃんが病院にタクシーを横付けさせて、受付へ挨拶しようとしたところ、わき腹を押さえた50歳くらいの男性がヘルメットを持って乗り込んできました。服装もライダースーツで、どうやらツーリングの途中で事故に遭われたのではと、直感しました。
運ちゃん「はい、どうぞ。どちらまでですか?」
年配男性「○○警察署行って下さい。」
運ちゃん「○○警察署ですね。わかりました。今日はどうかされたんですか?この病院、交通事故の患者さんをよく受け入れている病院らしいですけども、、、。」
年配男性「いやー、ツーリングの途中に自爆事故やっちゃってね。路上に転んで、しばらく動けなかったよ。でも、救急車を呼んでくれる人がいたんで、救急車で、この病院へ運ばれて、、、。一通り検査して貰ったけど、幸い打撲だけで済んだんだ。これから、警察署に事故証明を取りに行くんだよ。余りこの辺りの地理がわからなくてね。」
運ちゃん「ああ、そうでしたか。ちょっと痛そうですけど。打撲だけで済んで良かったですよね。」
年配男性「だけどさぁ、最近のタクシードライバーって、助けてくれないんだね。俺がバイクで転倒してから、最初に通ったのがタクシーだったんだけど、俺を避けて素通りされちゃったよ。救急車呼んでくれたのは、その後から来た、普通の一般車の人。タクシーの運転手さんは、声くらい掛けてくれても良さそうだと思うけどね。」
運ちゃん「あ、そういうことがありましたか?運転手も救急車に連絡くらいしてやってもいい筈なんですけどね、、、。」
年配男性「いやー、それと搬送先。二箇所の病院で断られたようで、こちらまで来ることになったよ。」
運ちゃん「最近は病院も難しい患者を受け入れるのを避ける傾向があるらしいですからね。」
年配男性「そうらしいね。俺なんかまだ意識があったから、早く搬送先決まって良かったけど、多分意識なくて危なそうだったら、もっと決まるの遅かったんじゃないかな?どこも危なそうな奴は、死ぬリスクが高いので受け入れたくないらしいね。最近すぐに何でも裁判、裁判で訴えられるしさぁ。医者もリスク取りたくないよね。」
運ちゃん「重症な時ほど必要なのが医者なんですが、やはり仕事が大変な上に、報酬がそれほど高くなくてリスクだけあるような外科などは、成り手が少なくなっているといいますよね。」
年配男性「そうだよな。直ぐ裁判にする奴も多いから、訴えられても、賠償金請求されても困らないように保険を作って加入するようなシステムを作らないと怖くてリスク取らないよな。ところでタクシーの運転手さんも、毎日運転でかなりリスクを負っているのに、収入が厳しいらしいね?」
運ちゃん「いやー、先ほどの話も関係してきますが、タクシーは歩合給制で、滅茶苦茶な規制緩和後は、タクシーが増えてしまったものですから、休憩をも惜しんで運転する運転手ばかりで、それでも月20万円も貰えない運転手が多くなりました。多分、先ほどの旦那さんの傍を通り過ぎた運転手も、自分の収入しか考えられなかったんだと思います。」
年配男性「ああ、テレビでタクシーの特集をやっていたの見たことあるけど、休憩すら取れないほどなの?メチャクチャな規制緩和が、色んな所にまで影響してきて、寂しい世の中だね。」
★いやー、かなり前に社会の裏を行くタクシー運転手が増える?!というタイトルで、交通事故でも協力しない運転手がいるとカキコしましたが、今回のお客さんも無視されていたとは、正直驚きました。
この数年間、タクシー運転手を取り巻く状況は、全然変わらずに、この日も運ちゃん自身、駅で一時間待ちという状況が何回もありました。
運転手の中には
「社会(国)は、会社という資本家だけを守り、過剰投資を黙認して、歩合給にて運転手に無駄な投資分を転嫁するのを認めて俺たちの生活を成り立たなくさせている。だったら、社会がこれまでタクシー運転手に期待してきた深夜の防犯(事件・事故・火事)などの通報や初動防犯などを期待するのは止めてもらいたい。」など、言う運転手が出てきています。
また、「月手取り15万円で、この中に給料、ボーナス、交通費、退職金込みという現状だから、普段休みの日は、外に出ないで家でジッとしているよ。社会に関わりたくないからな。」
と言う運転手も出てきています。
ことわざで、「衣食足りて礼節知る」というのがありますが、衣食にも事欠くような収入になってきますと、どうしても自分の殻に閉じこもる傾向があるようです。
こういったところからも、これまで社会の一人一人が維持してきたセーフティネット意識の崩壊連鎖が進んでいると感じます。
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