第２９話 ワーキングプア

最近、よくワーキングプアという言葉を聞きます。タクシーに乗ってくるお客さんと話をしていても、話題になったりします。或るお客さん（50代男性）は、

お客さん「いやー、景気なんていいとか言ってるけど、まったく実感ないよ。どんどん給料下がっていくんだよ。何故かしら、責任は重くなっていっているんだけど。」

私（運ちゃん）「えっ、責任が重くなっていくのに、給料は反対に安くなるんですか？」

お客さん「うん、そうなんだよ。(-_-ﾒ)　おかしいんだよな。四十台の頃が一番貰えたよ。五十台になって下がるんだから、あら、不思議。」

私（運ちゃん）「なんか、本当に選ばれた人たちだけが、給料が上がっていっているようですね。選ばれなかった人達は給料が下がっていくなんて、本当に勝ち組と負け組み社会ですよね。無論、私もそうですが、、、。」

お客さん「それでいて、俺は朝五時おきで、会社に出勤しているんだよね。ま、仕方ないのかな。他に仕事ないしね。ところで運転手さん、若いけど、結婚しているのかな？」

私（運ちゃん）「いやー、独身です。今のタクシー運転手では、結婚できるほど収入有りませんからね。求人広告にはいいこと書いてあったので、運転手になったんですが、よく考えてみれば、駅に並んでいるような不効率な仕事で、そんなに貰える訳がないんですよね。ちなみに家族持ちで運転手になった人達は、すぐに離婚してしまう家庭が多いです。奥さんは子供連れで生活保護で母子加算された方が収入が多くなりますから、、、。」

お客さん「働いているのに、なんでそーなっちゃう社会なんだろうね。美しい国なんて、奇麗事なんだろうね。統計だってやらせで作ったもんだろうし、信用できんわな。俺と妻とで、一生懸命働いても、大学の同期の証券会社に就職した奴よりも少ない収入だからね。二人がかりで稼いでいるのにね。同窓会へ参加して虚しくなったよ。」

はー、嫌ですね。ワーキングプアって。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言った福沢諭吉などが、この国の一万円札に刷られていて矛盾を感じるのは私だけでしょうか？政府の注目した人達は、特別救済でもされるんでしょうが、タクシー業界は対象外のようですから、、、。(*^^*)